스토리

まさに、必要は発明の母 まさに、必要は発明の母

ようこそ、コアルーバッグへ。
コアルーバッグは2007年、私(株式会社COAROO 代表兼開発者 池成姫)の発明品として特許を出願し、その後、特許と商標に登録されました。


もともとカバンとは無縁の出版社勤めでしたが、出産と子育ての中で「荷物の多さ」に苦労し、カバンの紐に着目したのが開発のきっかけです。

ショルダーバッグは重く感じ、リュックは上げ下ろしが面倒。その時々に合わせて掛け方を変えられない不便さを感じていた私の目に飛び込んできたのが、日本の「たすき」やおんぶ紐でした。

韓国からの留学生として来日した私にとって、1本の紐で着物の袖を束ねたり子供を背負ったりする日本人の巧みな紐の使い方は、まさに「目からうろこ」だったのです。

しかし、ただ紐をクロスさせただけの構造ではかえって使いづらく、試行錯誤の末に「真ん中にパッドを入れる」という工夫にたどり着きました。

すると見事に使い勝手が良くなり、使い方もカンタンに。我ながら今までにない斬新な発想だと飛んで喜びました。「子供でも使えるものにしなければ」と、息子と娘のために手作りの幼稚園バッグを作って試したりもしました。

さて、この普通のショルダーバッグでもリュックでもない新しいカバンに、どんな名前が相応しいか。

木登りをする時に子供を背負う「コアラ」と、お腹の袋に抱える「カンガルー」を掛け合わせ、アルファベットの綴りの見た目も良くなるようにと「coaroo(コアルー)」と名付けました。
(アイデア出しに協力してくれた家族や知人には今でも感謝しています)

当初の特許出願から2025年の改良特許の出願、そして折々のライセンス契約に至るまで、弁理士の深澤潔さんには知財の良きパートナーとして今でも多大なご協力をいただいています。

また、アイデアをどう展開すべきか分からなかったまったくの素人の私が、大変お世話になったのが「発明学会」でした。

ここでは、カメラのキタムラ主催の写真ビジネスコンクールに応募し、「前抱えが撮影時に役立つ」と奨励賞を受賞するという嬉しい出来事もありました。

そのお蔭で、某カメラアクセサリーメーカーからコアルーストラップ搭載のカメラバッグが発売されましたが、残念ながら当時のマーケットには、コアルーバッグの存在も使い方も、そして売り方さえも浸透していなかったのです。

その後も幸運なことにメジャーなメディアで取り上げられたり、大小のコンクールで受賞したりと、日本のみならず韓国でもコアルーバッグの独自性と斬新さは注目を浴び続けました。

ただ当時は、バッグの種類も素材もデザインも偏っており、ファッションとしての要素が不足していました。「コアルーってなあに?」というノーブランドの位置づけからの脱却は、未だにできていないのかもしれません。

そのため、展示会への出展やホームページの制作、売り場探しから販売に至るまでの活動には困難も多く、幼稚園のママ友や知人など、実に多くの方々にお世話になりました。

商品撮影から取扱説明書づくり、サンプルチェックや展示場での陳列に至るまで、純粋に協力し合える仲間がいてくれたことに、感謝しきれない気持ちでいっぱいです。

いくつもの逆境を乗り越えて いくつもの逆境を乗り越えて

起業して受賞が続き、メディアでの紹介も続いていた頃、世の中は3.11で大きく揺れました。孵化しようとしている卵のようだったコアルーは、急に動かなくなった世の中を前にして当惑していました。

そんな折、在庫の一部を福島の幼稚園に贈ったところ、感謝のメッセージとともに、嬉しそうな表情でコアルーバッグを掛けている子供たちの笑顔が届きました。自分の子供もまだ幼稚園や小学校に通う年齢だったので、ここで頑張ってみようと思ったのでした。

その後、韓国から妹も合流し、製品づくりに協力してくれました。実は、韓国のカバンづくりは世界的にも知られていて、日本や中国で活躍している職人さんの中には韓国の方が多いのです。当時の工場も、長年日本の工場で働きながら「日本製」を支えてきた韓国の職人たちが、故郷に戻って立ち上げたものでした。

業界のノウハウもなくスタートした姉妹だったので、職人の方々には本当にお世話になりました。

コアルーバッグを必要とされる方々に コアルーバッグを必要とされる方々に

取引も少しずつ増え、コアルーバッグの認知度が上がってくると、「どこで買えるんですか?」との声も多くなり、地元吉祥寺でお店を作ることになりました。様々な試行錯誤を繰り返しながら一つひとつの商品が出来上がり、吉祥寺中道通りの2階事務所兼ショールーム形式のお店に並んでいます。

世界的に猛威をふるったコロナで取引のほとんどを失う大きな打撃を受けましたが、この「コアルーバッグ&吉祥寺」店には、かなり遠方や海外の方もお越し頂いています。そして、知人やご家族からのご紹介でのご来店も目立ちます。

「すーっと引いてさっと掛けると、はい、リュック」

そんな魔法のような掛け方を特徴に、子育て層やご年配の方々が集うテレビショッピングでコアルーバッグは活躍しています。シンプルな構造なのにシーンに合わせてたくさんの掛け方ができます。一見複雑に見えるかもしれませんが、その都度ベストな掛け方を、ここまで多様に、ここまで簡単に変えられるカバンは他に類を見ません。一度その良さを体験すると、他のバッグが使えなくなるほどです。そんな「コアラー(ユーザーの皆様の自称)」の方々の声が嬉しいです。

中でもいちばんやりがいを感じる瞬間は、杖(松葉づえ)や車いすを使う方、あるいは介護の場面でコアルーバッグが使われる時です。私自身は子育ての苦労からアイデアに至ったのですが、世の中には事故やケガ、障がいなどにより、普段は不便を感じずに使えていたカバンが使いづらく、危なく感じる時があるものです。

そんな時にお役に立てることが、これほどに大きなやり甲斐につながるとは。利益の追求を遥かに超えた「使命感」を感じています。

100年後に残るコアルーバッグを目指して 100年後に残るコアルーバッグを目指して

私はコアルーバッグを、ショルダーバッグとリュックの間に生まれた、新しいカテゴリーとしてとらえています。ですから、自社の製品だけでなく、多くのメーカーやブランドにこのシンプルで革新的な構造を取り入れていただき、この機能性を広く共有してほしいのです。

そして、日本に限らず世界の人々に届けていきたい。次の世代にも残るものとして育てていきたいと願っています。

毎日のお出かけが、ラクで便利になりますように。