発案者として(代表より)
強く美しく、そしてやさしく
人の体に、人の気持ちに、寄り添うバッグを—————————————-
娘用にと考えて作ったカバンが、コアルーバッグの原点になりました。
苦労はカバンとともに————————-
日本語を習って翻訳の仕事でも…。 私は右も左もわからないまま日本にやってきて、東京で貧乏学生生活をはじめました。 日本は物価が高いからと、大きなナイロン製の旅行カバンにあらゆる生活雑貨をパンパンに詰め込んでやってきたものです。
結婚して子供ができてからも、同じような苦労の連続です。 大きなお腹をかかえて、子供を抱っこ。ママバッグを首からさげて、行きも帰りもおみやげをぎっしり詰めたカバンを両手に持って、日本と韓国を往復していましたよ(笑)。
いつもカバンと一緒に苦労して、苦労のそばにカバンがあって(笑)。
私は「なんとかしたい」という目線をずっとカバンに投げかけてきたのかもしれません。
コアルーバッグのベルトの構造がひらめいた時の感動は、今でも忘れられません。
“これは便利かも! でも待てよ、みんなもそう思うだろうか…”。
いても立ってもいられずに私は主人に、そして親戚に知人に。
かたっぱしから聞きまくりました。
“どう思う? ねえ、どう思う?”
もうそのころはインターネットを見ていても、街を歩いていても、カバンにばかり目が行きました。 今でも道行く人のカバンをじっと見つめ、おやっと思ったら追いかける怪しいおばさんです(笑)。
モノには作った人の気持ちが…————————–
コアルーバッグがこうして商品になって世の中に出ていくまでのあいだには、とてもたくさんの人に出会い、語り合い、助けていただきました。
まるで赤ちゃんがこの世に生まれ、社会のみんなの力で育てられるように…。
こんなふうに自分も子供もコアルーも、「生かされている」。
そんな感謝の気持ちをどんなふうに形にして表現していこうか、それが私たちのテーマになっています。
きちんと感謝したいから、コアルーバッグをより強く、そしてやさしく育て上げたいと思うのです。 たかがモノですが、モノには作った人の気持ちが素直に現れていると、初めてのバッグ作りの経験をとおして教わりました。
強く、美しく、そしてやさしく。人の体に、人の気持ちに寄り添うバッグを作っていきたいと思います。
これからも、たくさんの方々のアイディアや技術やセンスによって良いものが作られて、そしていろいろな方々の力によって、ひとりでも多くのみなさんの手に届くことを願っています。
そんなふうに、志だけは大ブランドや大企業と同じように大きく持っています(笑)。
よちよち歩きのコアルーですが、だからこそ素直に同じ気持ちでスタートしても良いのでは…と、まだまだ世間知らずの私は思っています。株式会社COAROO代表 池 成姫(チー・ソンヒー)
韓国ソウル生まれ。1992年来日。
早稲田大学文学部日本文学科卒業。
株式会社COAROO代表。
ココ先生の韓国語と日本語教室主宰。
『韓国食堂の味方』(双葉社)、『ハッピーソウル』(共著、同)
、 『しっぽをつかむ日本語(原著名꼬리에 꼬리를 무는 일본어)
』 (共著、韓国ソウル所在のdesignhouse)などの著書がある。
趣味は料理、掃除、編み物、おしゃべり、発明など。
アイデアコンクール、レシピ大賞での受賞暦有り。